「京町家の粋人」と呼ばれ、
今まで数多くの京町家を手掛けられてきた坂田先生。
『京ぐらし』では特別顧問として、「二条城北の家」をはじめとした町家リノベーションのデザインの監修として、アドバイスを頂いています。
「建築作品を押し付けるつもりはありません。」
「住宅は人生や生活観、将来の夢が形となってあらわれ、家族の絆を強め明日のために安心して休息でき、優しい気持ちで人を迎えることのできる場となって初めていい住まいだと思う」、と語る坂田先生。
何度もディスカッションを重ね、
お客さまの立場に立った真剣な家づくりご提案いたします。
2009年〜2015年までの間計8回出演。
京ぐらしリノベーション物件としては、
2012.10.21に放送された「とんでもなく傾いた家」がある。
京都市上京区 N様/2012年施工
設計デザイン 坂田基禎建築研究所
私が50年以上前に岡山の山奥から嫁いで来たときは、京都の風習や食文化、夏は蒸し暑く、冬は底冷えする気候に慣れず大変苦労したものです。昔から日本人は色々なことに耐え忍び、我慢することが美徳とされていましたし、私の生活でも、夏は打ち水や夏建具で風を通し、冬は小さな暖房器具と厚着をして耐え忍ぶことが当たり前として生活をしておりました。
私も歳を重ねると同時に家も歳を重ね、柱や壁が歪むことでめまいを起こしたり、引戸を閉めても大きな隙間が空き、冬場では外気温と変わらない室温で体調不良が続き、部屋も暗く気が滅入っておりました。
建て替えも検討しましたが、いろいろな思い出がつまった家を無くすことの選択をしませんでした。
様々な巡り合わせやご縁がありまして、あのテレビ番組でも有名な坂田基禎先生に設計をお願いし、私たち家族の話を親身に聞いて頂き、困っていることや不具合場所、孫たちと楽しむこと等、今後の人生設計も考慮して、刺繍道具やベビーカーの収納、動く格子等、アイデア満載の設計でありました。
また、施工や補助金制度の申請等を『京ぐらし』ネットワークさんにお願いすることになり、快適な暮らしに必要な断熱や窓の重要性、耐震診断や耐震方法等の安心・安全、各種補助金制度の説明をしていただきました。施工全般をネットワークの会員工務店さんが親切にして頂いて凄く満足をしております。
今では信じられない程の冬暖かく明るい部屋で刺繍の仕事をしたり、夏一台しかないエアコンの涼しさで孫たちがお昼寝をする姿を見ると、本当に改修して良かったと思っております。私も、家の中では薄着で快適に暮らしておりますし、体調も良くなってめまいすることも無くなりました。家と健康は密接に関係している事を実体験で痛感させられてしまいました。
皆様が云われる“京町家”の認識は正直薄かったのですが、あんなに古くていろいろな事を我慢していた家が、こんなにも快適になり、親戚や知人にも自慢できるようになりました。長年暮らしておりますこの地でこれからも“京ぐらし”を安心・安全・快適に楽しみたいと思います。